マンションの騒音トラブルで悩んでいる。警察に相談してもいいのかな?
こんな疑問を解決します。
「マンション騒音トラブルを警察に相談しよう」と考えている人は少なくありません。
ですが、警察に相談しても取り合ってもらえなかったり、逆に相談したことで思わぬ被害を受ける可能性もあるので、注意が必要です。
この記事では、マンションの騒音トラブルについて警察に相談するメリットとデメリット、警察に相談をおすすめする人、そして警察に相談をしないほうが良い人について詳しく解説していきます。
「こんなはずじゃなかった!」となる前に、読んでおくことをおすすめします。
警察に騒音トラブルを相談するメリット
はじめに、警察に騒音トラブルを相談するメリットは以下の2つです。
メリット① 緊急対応してもらいやすい
警察は緊急性の高いトラブルには、速やかに対応してくれることが多いです。
たとえば、夜間にひどい騒音が発生しているときは、警官がその場で騒音を止めてくれる可能性があります。
24時間365日、対応してくれるのは助かりますよね。
メリット② 安全にトラブル対処できる
騒音トラブルが既にエスカレートしていて、自分自身や家族に身の危険があるときは、警察への相談がおすすめです。
「騒音のクレームがきっかけで騒音主が逆上して事件に発展」は他人事ではありません。
騒音苦情に逆上し隣人を殴打 傷害の疑いで無職の男逮捕 神戸(2022年12月)
警察は市民の安全を守る役割があります。
危険が迫っているなら、無理せず警察に連絡しましょう。
警察に騒音トラブルを相談するデメリット
次に、警察に騒音トラブルを相談するデメリットを3つ紹介します。
デメリット① 騒音主から報復を受ける可能性
警察に騒音トラブルを相談した後、騒音主から報復がないとは言い切れません。理由は2つです。
誰が苦情を言ったのかはバレる
1つ目は、マンションの騒音トラブルでは、誰が警察に苦情を言ったのか、だいたいバレます。
マンション騒音の8割は下の階の住民からのクレームで、残りは上の階か隣の部屋。
つまり「匿名」で警察に相談しても、騒音主は気づきます。
常識が通用しない人の可能性
2つ目は、そもそも警察沙汰になる時点で、常識的な人ではない可能性が高いこと。
警察に注意を受けて生活態度を改める人もいるでしょうが、実際はあまり期待できません。
警察からの訪問や注意を不快に思う人もいるはずです。
デメリット② 個人情報が漏洩する可能性
警察へ伝えた個人情報(自分の名前や住所)が外部へ漏洩する可能性があります。
警察では時々、個人情報の漏洩が起きています。警察とはいえ、安心できませんね。
デメリット③ SNSやマスコミで騒がれる可能性
騒音トラブルで警察がマンションへ頻繁に出入りするようになると、SNSなどで急速に拡散される可能性があります。
警察が来ると周辺の住民が集まり、その様子をTwitterに投稿する人が現れます。
その投稿を見てマスコミまで集まってしまうと、対応するだけでも疲れてしまいそうです。
マンション騒音ではありませんが、長野県の公園騒音問題ではSNSやマスコミで話題になりました。
騒ぎを大きくしたくないなら、警察には相談しない方がいいかもしれません。
警察の騒音トラブル対応の限界
そのほか、警察の騒音トラブル対応の限界を知っておきましょう。
注意点① 民事不介入の原則
警察は「困った人を助けてくれる存在」と思いがちですが、そうではありません。
警察には「民事不介入」という原則があります。
ざっくり説明すると、騒音トラブルについては「どっちが悪いとは判断しない」立場です。
では警察がしてくれるのは何かというと「犯罪の防止」です。
たとえば、クレームに対して暴力をほのめかす発言をしたら「脅迫罪」になりますし、マンションのドアや車を傷つけられたら「器物破損罪」になります。
騒音を出すこと自体は犯罪ではありません。
警察がしてくれることは、騒音トラブルがエスカレートして事件化しないよう、努力してくれるだけです。
注意点② 現場を押さえる必要がある
2つ目の注意点は、騒音トラブルが起きているその場に、警察に来てもらう必要があることです。
騒音が収まった後では信用してもらえません。
もしくは、証拠となる映像や音声を残しておくことです。
「脅迫罪」や「器物破損罪」などの証拠として使える可能性があります。
注意点③ 騒音が解決するわけではない
「民事不介入の原則」でも書いたように、警察に相談しても、残念ながら騒音は解決しません。
警察に相談していても、事件化を防げないことすらあります。
警察に相談をおススメする人
それでは、警察に騒音トラブルを相談するのはどんな人がおすすめなのか、具体的に説明しましょう。
ケース① 相手が威圧的でコミュニケーションが取れない場合
騒音主の態度が威圧的で、話し合いに応じてくれないようなときは、警察への相談がおススメです。
警察は「脅迫罪」を防止する立場から、冷静になって話し合いをするようにしてくれるはずです。
第三者がいるだけで、話がスムーズにまとまるかもしれません。
ケース② 騒音が悪質な場合や二次被害が起きている場合
非常識な時間帯に大きな騒音が発生しているときや、騒音がエスカレートしている場合も、警察への相談がおススメです。
暴力化などを防ぐ観点で、サポートしてくれるはずです。
また、マンションのドアを蹴られたり、自動車や自転車を荒らされるなど二次被害が起きている場合は、早めに相談しましょう。
ケース③ 身の危険が想定される場合
騒音トラブルが既にエスカレートしていて、自分自身や家族の身に危険を感じる場合は、警察に相談することを強くおすすめします。
ただし、一時的に別のマンションでの仮住まいも検討したほうがいいかもしれません。
警察に相談しないほうが良い人
それでは、騒音トラブルについて警察に相談しないほうが良い人について詳しく見てみましょう。
ケース① 穏便に解決したい人
報復が怖く、トラブルを丸く収めたい人は、警察に相談しない方がいいでしょう。
穏便に解決したいなら、相手との手紙のやり取りや、話し合いを進めるべきです。
もちろん、騒音が収まるかどうかは分かりませんが、警察に相談するよりは問題がエスカレートしにくいでしょう。
ケース② プライバシーを重視したい人
警察が来ると、同じマンションの人や近隣住民に、どの部屋とどの部屋とでトラブルを起こしているのかがバレてしまいます。
周りにトラブルが知れ渡って欲しくない人は、警察に相談しない方が得策です。
ケース③ 我慢できるレベルの騒音
騒音が起きる頻度が少なかったり、我慢できるレベルの騒音なら、まずは他の解決方法を試してみましょう。
「室内で音楽を流す」「仕事をする部屋や寝る部屋を変更する」「カーペットを敷く」「窓を開ける」など、さまざまな方法があります。
家にいる時間を減らすことも考えてみましょう。
まとめ:警察への相談は慎重に
以上、マンション騒音トラブルを警察に相談するメリットとデメリットを解説しました。
「怒りに任せて警察を呼ぶ」というのは、ひょっとすると大きな問題を招くかもしれません。
メリットとデメリットを踏まえ、警察へ相談するかどうかは慎重に判断することをおススメします。