マンションの近隣住民から騒音の苦情が来ちゃった…。うちの家から、そんな音が出ているの?
こんな悩みを解決します。
騒音の苦情は、マンション暮らしでは避けて通れません。 比較的新しいマンションであっても、共同住宅である以上、必ず騒音は発生します。
たとえば最近のマンションには「固体伝搬音」という厄介な問題があります。 これはコンクリートの躯体を通して伝わる音のこと。 皆さんの住戸で発生した音が、振動となってコンクリートに伝わり、別の部屋に音として伝わってしまうのです。だから「自分は何もしていないのに…」という状況でも、騒音の苦情を受けることがあるんです。
でも、大丈夫。 心当たりがあってもなくても、適切に対応すれば解決できます。
騒音苦情を受けたときはイライラしてしまいがちですが、まずは落ち着きましょう。 相手も「快適に暮らしたい」から苦情を言ってるはずですよね。
この記事では「マンションで騒音苦情を言われたときの対象方法」について詳しく説明していきます。
ぜひ最後までどうぞ。
騒音苦情を言われる3つのパターン
マンションで騒音苦情を受けるときは、大きく分けて3つのパターンがあります。
それぞれのパターンについて、特徴と注意点を見ていきましょう。
パターン① 管理会社経由のクレーム
管理会社から「お宅からの騒音について苦情が来ています」と連絡があるパターンです。
- 第三者(管理会社)が間に入るので、直接的な対立を避けられる
- ある程度、客観的な立場からの伝達が期待できる
- 記録が残るので、後々の対応に役立つ可能性がある
- 管理会社の対応に左右されることがある
- 匿名の苦情の場合、詳細な状況確認が難しい
- 管理会社を通しているため、相手に情報が正確に伝わりづらい
パターン② 直接対面でのクレーム
突然、玄関先に現れた近隣住民から「うるさい!」と注意を受けるパターンです。
- お互いの表情や声のトーンが伝わる
- その場で状況を詳しく聞ける可能性がある
- 即時的な対応が求められる
- 感情的になりやすい状況なので、冷静さを保つのが大切
- プライバシーの観点から、玄関先での長話は避けたほうがよい
パターン③ 手紙によるクレーム
郵便受けにクレームの手紙が投函されているケースです。
- 相手の主張が文章で明確に示されている
- じっくり内容を確認し、対応を考えられる
- 返信のタイミングや方法を選べる
- 文面だけでは相手の真意や感情が読み取りにくい
- 匿名の場合、誰からの苦情なのか特定できないことがある
- 相手を納得させる返信を書くのが難しい
どのパターンであっても、最も大切なのは冷静に対応すること。 相手も快適に暮らしたいという思いから苦情を言っているのだと理解しましょう。
騒音苦情を言われたときの基本的な心構え
騒音苦情を受けたとき、どのような態度で臨めばいいのでしょうか。
ここでは、3つの重要なポイントをお伝えします。
ポイント① 冷静さを保つ
「えっ、うちからそんな音が出てないでしょ?」
突然の苦情に驚いたり、心当たりがなくて戸惑う人がほとんどでしょう。
でも、ここで大切なのは冷静さを失わないこと。落ち着いて状況を把握しましょう。
冷静さをなくすと次のようなデメリットがあります。
- 適切な判断や対応がとりやすくなる
- 冷静な態度が、相手の態度も和らげる可能性がある
- 問題解決に一歩進む
ポイント② 相手の立場を理解する
「相手はなぜ苦情を言ってきたのだろう?」
この視点を持つことが問題解決の鍵です。
相手も快適に暮らしたいという思いから苦情を言っているのです。
その気持ちに寄り添うことで、より良いコミュニケーションができるようになります。
- 騒音に悩まされる不快感を想像してみる
- 「音の出る方向が騒音源」と考えるのは自然なこと
- 相手も解決したいと思っているはず
ポイント③ 改善の姿勢を示す
たとえ心当たりがなくても、まずは相手の訴えを真摯に受け止めましょう。
そして、問題解決に向けて協力する姿勢を示すことが大切です。
- 相手の不快感に対して謝罪する(必ずしも騒音の原因を認める必要はない)
- 具体的な状況を丁寧に聞く
- 可能な対策や協力できることを提案する
心当たりがなくても、このような姿勢で臨めば、問題は悪い方向には進まないでしょう。
相手の気持ちを尊重しつつも、自分の立場も丁寧に説明できるようになるはずです。
パターン別の具体的な対応方法
騒音の苦情を受けた際、どのように対応すればよいかは、どのように苦情が言われたかによって違ってきます。
「管理会社経由で伝えられたケース」「直接対面でのクレーム」「手紙によるクレーム」と、それぞれのパターンに応じた対応方法を解説しましょう。
パターン① 管理会社経由のクレームへの対応
管理会社を通して騒音の苦情が届いたら、まずはその連絡を真摯に受け止めることが大切です。
この場合、管理会社は中立的な立場で、騒音トラブルが悪化しないように仲介役を果たしてくれます。
管理会社を通じて苦情が寄せられたときには、以下の対応を心がけましょう。
- 事実確認を行う: 管理会社から伝えられたクレームの内容を確認し、その時間帯や状況を思い出してみましょう。心当たりがある場合は、すぐに改善する姿勢を見せることが重要です。例えば「ドアの開閉は静かにする」「静かに歩く」など具体的な改善策を実施します。
- 状況を管理会社に報告する: 自分に心当たりがないときも、管理会社に冷静に状況を説明しましょう。例えば「その時間帯は自宅にいなかった」「防音対策をすでに行っている」など。管理会社からアドバイスを受けるのも手です。
- 記録を残す: 万一トラブルが長期化した場合に備えて、管理会社とのやり取りや対応した内容を記録しておくとよいでしょう。記録を残しておけば後々のトラブルにも役立ちます。
パターン② 直接対面でのクレームへの対応
玄関先で直接クレームを言われると、つい感情的になってしまいます。が、ここでも冷静さが重要。相手の感情に巻き込まれず、以下のような対応を心がけましょう。
- まずは謝罪と共感を示す: どんな状況でも「相手に不快な思いをさせたこと」に対してまずは謝罪しましょう。相手の感情に寄り添う姿勢を見せることが大切です。このとき、騒音の原因が自分にあるかどうかは問わず、まずは相手の気持ちへの共感からスタートしましょう。
- 事実確認を冷静に行う: 相手が具体的に「どの時間帯のどんな音」が問題だったのかを尋ねましょう。そのうえで、できる範囲で改善する姿勢を見せると、相手も冷静に話を聞いてくれることが多いはずです。
- すぐに改善できる点は対応する: もし言われた内容に心当たりがあるときは、可能な限りその場で対応を約束しましょう。例えば「音楽やテレビの音量を下げる」「騒がないようにする」などです。相手は「聞いてもらえた」と感じて状況が改善されやすくなります。
パターン③ 手紙による苦情への対応
手紙が投函されていたときは「相手が直接話し合うことに抵抗を感じている」または「長期間にわたって不満を溜めている」可能性があります。
手紙に書かれている内容に感情的にならず、慎重に対応しましょう。
- 手紙の内容をよく読む: 手紙には相手の苦情が具体的に書かれているはずです。内容が感情的であったり、攻撃的であったりしても、それに対して感情的に反応することは避けましょう。冷静に内容を読み、どのような音や時間帯が問題とされているのかを理解します。
- 管理会社に相談する: 手紙での苦情の場合、直接相手と話すよりも管理会社を通じて対応した方がスムーズに解決することがあります。特に、匿名での手紙が投函されている場合は、管理会社に相談し、適切な対応を取ることが望ましいです。
- 対策を講じたことを知らせる: もし手紙の内容に基づいて改善策を取った場合、相手にその旨を伝えることも効果的です。例えば、再度手紙が届くことを避けるため、管理会社経由で改善策を報告するか、相手に直接知らせることで、相手が安心することもあります。
騒音苦情への対応でやってはいけないこと
騒音の苦情を受けたときに、間違った対応をとるとトラブルが悪化し、最悪の場合、法的措置や対人関係の悪化につながることもあります。
騒音苦情に対して「やってはいけない行動」を3つを解説します。
やってはいけないこと① 強く否定する
まず最もやってはいけないのは、苦情を受けた瞬間に「うちは関係ない!」と強く否定してしまうことです。たとえ心当たりがなくても、相手にとっては深刻な問題で、すでに不快な思いをしている可能性が高い。騒音の感じ方には個人差があり、音に対する敏感さもそれぞれですよね。「自分は悪くない」と突っぱねると、相手はさらに感情的になるでしょう。
また、マンションの構造上、音の伝わり方は複雑で、騒音源が自分だと気づかないこともあります。例えば「足音」「ドアの開閉音」「冷蔵庫や洗濯機などの動作音」が他の住戸に響くこともあるため、まずは相手の意見を一度受け入れ、冷静に対応しましょう。
やってはいけないこと② 無視する
次に、苦情を無視することは絶対に避けるべきです。特に手紙や管理会社を通じたクレームに対して、「無視する」「相手は間違っている」と思って放置すると状況が悪化します。「問題を解決したい」と思って行動しているのに、無視されたりしたら…。さらに怒りや不満が大きくなり、問題がエスカレートするでしょう。
たとえば「相手が玄関先までクレームを言いに来る」「警察がやってくる」「法的な措置がとられる」などもあり得ます。問題が大きくなる前の行動が必要です。
やってはいけないこと③ 逆ギレする
相手が感情的に苦情を言ってくると、こちらも感情的に反応してしまいがちですが、これも避けるべき行動です。当然、クレームを言われると自分自身も強いストレスを感じ、感情的になってしまいますよね。でも逆ギレすると会話が成立しなくなり、問題がさらに大きくなります。
自分の潔白を証明する方法
騒音の苦情を受けたとき、自分に心当たりがないときや、そもそもその時間帯に家にいなかったときも、相手から疑われ続けることがあります。
誤解を解き、騒音源が自分でないことを証明するためには、客観的なデータや証拠が必要です。
詳しくは以下の記事を参照してください。
苦情によるストレスへの対処法
騒音の苦情を言われると、心当たりがあってもなくてもストレスですよね。人によっては自己嫌悪に陥ったり、他の住人が怖くなったり、睡眠などの日常生活に悪影響を及ぼすことも。
騒音苦情によって生じるストレスに対処し、心の健康を保つための方法を紹介します。
感情を抑え込まない
心当たりがないときや、理不尽な指摘だと感じたとき、強い怒りや悲しみを無理に抑え込まないようにしましょう。
- 信頼できる人に相談する: 家族や友人、同僚など信頼できる相手に相談してみましょう。話すと頭の中が整理ができ、冷静になれるでしょう。
- 気持ちを書き出す: ノートや日記に、自分が感じている不安や怒りをそのまま書き出してみてください。感情を言葉にするとストレスが発散できます。
外出の機会を増やす
家にいると常に気を張ってしまい、リラックスできなくなってしまいますよね。外出の機会をできるだけ増やしてみてください。
ネガティブ思考からの解放
「自分が悪いのではないか」「相手が自分を嫌っているのではないか」とネガティブな思考に陥りがちです。それでも、できるだけ前向きな視点を持つよう努めましょう。
- 自分を責めない: 騒音問題は誰にでも起こりうるトラブルです。自分が完全に悪いなんてことはありません。音に敏感な人もいれば、音に鈍感な人もいる。騒音に対する感じ方は人それぞれですよね。
- 成長の機会と捉える: 騒音トラブルの解決は、コミュニケーション能力や対人スキルが向上する機会と考えてみてください。前向きに考えると、気持ちが少し軽くなるかもしれません。
まとめ
以上、「マンションで騒音苦情を言われたときの対象方法」を紹介しました。
マンションに住んでいる限り、騒音トラブルは避けては通れません。でも冷静な対応ができれば、トラブルを未然に防ぎ、また発生した場合でも円満に解決できます。